海外の映画館。2010年02月02日

 映画の中心と言えば、良い意味でも悪い意味でもハリウッド!
 アカデミー賞受賞作品を決める為、作品を上映するという目的で建て
られたのが、ビバリーヒルズにある Samuel Goldwyn Theater!
 座席数は1012席と、映画館としては大型である。(だいたいシネコン
のメイン館で500席程だから、およそ倍の収容席を持っている)

 1985年、AMPAS(Academy of Motion Picture Arts and Sciences) に
設置されたスピーカシステムが上の写真になる。

 JBLの4675というスピーカがフロントに5台設置されている。 (15
インチユニット2台入った低域ボックスが追加されている)

何故5台なのか?というと、SDDS(Sony Dynamic Digital Sound) という
フォーマットに対応する為である。
 写真ではスピーカがムキ出しになっているが、この前にスクリーンが
設置されるので、こんな写真を見る事は少ない。

 この映画館は興行を目的とした上映は一切されていない。
純粋にアカデミー賞受賞作品を決める時だけ上映される劇場である。
日本人の感覚としては、とても勿体無い感じがする。

映画館のスピーカ6。2010年01月28日

 オーディオファンならご存知?!(だと思う・・・) アルテックと言えば、
Voice Of The Theater! VOTTのA4の初代がこれ!!
 1946年頃には、既にこの形になっていた。
低域のエンクロージャーボックスはフロントロードホーン形状にバッフル
ウィングが付いていた、また高域は8セグのマルチセルラーホーンが採
用されていた。
 さすがにサイズは、まだまだ大きいが、この形で進化して1953年に
は業界標準機材としてシネラマドームに採用された。

 やっとVOTTまで来たので、古いスピーカはここまで・・・。

映画館のスピーカ5。2010年01月22日

 ここまで来ると、だいぶ近年のスピーカに近くなってくるが、上の写真
は1933年MGMのShearerシステムである。
 アンモナイトのような渦巻きホーンが、マルチセルラーホーンという蜂
の巣のような、ツイ立てが付いたラッパになっている。
 かなり大きな劇場用スピーカで、JBLさんがMGMから依頼されて作っ
たスピーカだ。
 低域にはLansing製15インチ(38cm)のユニットが採用されている。
W字型オープンバックのフロントロードホーン形状で、出力の弱いアン
プで駆動させても、音が遠くまで届く様な工夫を駆使して作られた。

 この写真は最も大きなシステムなのだが、スモールサイズのスピーカ
システムも同様の考え方で作られ、1937年には映画芸術・科学アカ
デミー賞を受賞している。

 チャップリンの話は、この頃の事と聞いている。

映画館のスピーカ4。2010年01月17日

 いつ頃の話か訳が分からなくなって来ているが、この辺りのスピーカ
までがトーキー映画が登場したての頃の話。

 上の写真が現在のようなマルチウェイ方式のスピーカである。

 音楽を再生するという事で、再生出来る帯域の広いスピーカが必要
とされ1931年頃、こんなスピーカが登場する。

 設置していたのはERPIという、ALL Technical Serviceの前身に当た
る会社である。 (脱線する度に時系列がメチャメチャになって申し訳
無い)

 この頃からオープンバッフルではあったが、バッフルボードにスピーカ
が取り付けられている。(現在のTHXシアター仕様に近いからビックリ
である)

 音響システム的な目で見て、今と昔 何が違うか?!というと、パワ
ーアンプである。
 昔は今のような大出力な増幅器が無かった(真空管等を使った数10
ワットのアンプで、いかに大きな音を出すか?!が求められた)。
 もちろん音質も求められ、このようなスピーカが登場した訳であるが、
結果このような、とてつもなく大型なスピーカになってしまった。

映画館のスピーカ3。2010年01月14日

初代ROXYホーンは、あまりに巨大だったので、多くの劇場では使えな
い事から、こんな変り種のスピーカもあった。
 Shallow type horn と呼ばれていたこのラッパには、2ケのドライバー
(音が出る部分)を取り付ける事が出来た。

 上の写真が、そのホーンである。

ROXYホーンに比べて格段に奥行きが短くなっている為、スクリーンの
後にスペースが小さい劇場にも設置する事が出来た。

今でこそ当たり前のコーン紙を使ったスピーカは搭載されていない。
このラッパにドライバーが付いたフルレンジシステムである。

もちろん低音を再生する事は難しいのだが、この時代はトーキー出現
前のシステムなので、音声の帯域が再生されていれば良かったので
ある。