まとめ。2010年03月15日

ややマニアック過ぎたカテゴリーか??!

興味のある人も少なそうなので、この辺りでまとめに入る。 と言うか、
書ける事がもう無くなって来た。
デジタルシネマや3D映画等、もう少し掘り下げる事も出来そうなのだ
が、私が得意とする音とは少し外れる気もするので・・・。

映画館は、日本だけで無く全世界にある。

もちろんアメリカやフランス等、欧米やヨーロッパにあるだけでなく、イン
ドや中国,南米やアフリカにもあるだろう!?

映画監督を始めとする製作に関わった人は、自分の作品がどのように
上映されていて、評価されているのか?!気になって仕方無い。(っと
勝手に思っている・・・)

それが故に、決まり事がちゃんとあって、各々の劇場さん達は、それに
準じて日々上映されているのである。
自分達が上映する作品は、製作者の意図通りに上映出来ている!と、
自信を持って上映してないといけないハズである。

DVDを鑑賞する際、TVのスピーカで観る人も少なくないだろうし、ホー
ムシアターセットで観る方もいるだろう?!
ただ、製作者の意図を正確に表現出来ている所は全世界の映画館で
あって、それはどこで観ても変わってはならないと私は思っている。

さぁ皆さん!  映画館で映画を観よう!!

という私は最近映画館で映画を観る機会がずいぶんと減ってしまった。
反省!反省っ!!

映画館のサラウンドスピーカ配置。2010年02月19日

フロントスピーカ同様、映画館のサラウンドスピーカも視聴位置が明確
に決まってない為、110度とか135度後方から音が来るように設計す
るホームシアターのようにはいかない。

映画館の場合は、スクリーンから後壁までの距離を計り、前方1/3の
範囲にサラウンドスピーカを配置しないという決まり事がある。

ドルビーさんが定めている音量バランスや音質を決める代表点という
物があって、それはスクリーンの中心で劇場の前から2/3の位置と、
定められている。
つまり、サラウンドエリアの中心が代表点(測定点)になるのである。

個数や下振り角度,及び設置する高さは、何度も言うようだがシミュレ
ーションで緻密に計算され決められている。

このように、映画館では代表点に於ける最大音量は各チャンネル毎に
何dBないといけないとか、事細かく決められていて、机上で計算式に
当てはめてウーファーの数等も設計される。

映画を観る場合、何処で観るのが一番良いか?!と良く聞かれるが、
やはり代表点で観るのが一番良いのでは?!と思う。

ちなみに私の場合は、代表点から少し前の、少し左側に寄った所で観
るのが好きである。

映画館に於けるスピーカの配置。(フロント編)2010年02月16日

テレビの場合、ハイビジョンでお馴染みの16:9や、少し前までの4:3
と言われる縦:横比の画面だが、映画の場合はどうだろう?!
DVDで観る時に上下に黒いマスクのような物が入る作品が多いので、
少なくとも16:9より横長だと思うのだが・・・。

映画にも2種類の画面比率がある事を知っている人は少ないかも知れ
ない。(予告編から本編に入る時に暗幕が横に広がったりって経験無い
ですか?)
実は、1:2.39になるシネマスコープという比率と、1:1.85になるビ
スタビジョンという比率があります。
フィルムに記録されている写真の縦横比は変わらないので、実はシネ
マスコープで上映する作品のフィルムには、縦長の映像が入っていて、
特殊なレンズで横に伸ばして正常な画面になる様に写しているのです。
(フィルムを見ると縦長の顔が写っています)

少し脱線しましたが、ホームシアターの場合は視聴位置をハッキリさせ
る事が出来ますが、映画館の場合は客席全てが視聴位置なので、適正
な位置というのがありません。
すなわちLRの開き角度が45度だの60度だのと決められない訳です。

だいたいスクリーンの横幅一杯々の所にLRのスピーカが設置される事
が多いのですが、シネマスコープを上映する際、縦横の比率を変える
のに、横に伸ばす方法と、上下(もしくは上か下一方)を切る方法がある
のです。(分かりますよネ?!)
上下を切る場合は普通にスクリーンの横一杯にLとRのスピーカを設置
出来ますが、横に伸びる場合はシネマスコープ側の横一杯だと、ビスタ
ビジョンの作品を上映する際には暗幕が出て来てしまうので、そう簡単
にはいかないんです。
その場合、ビスタビジョンの横一杯か?!暗幕に掛かっても音が通る
ように、それ相当の工夫をしてシネマスコープ画面の横一杯の位置に
設置されたりします。(この場合ビスタビジョンの作品の場合、LとRは
画面の外から音が出ている事になります)

センタースピーカはスクリーンに対して平行に出来るだけ近くで設置さ
れますが、LとRは少し内振りにして設置されます。(この加減はコンピ
ューターによるシミュレーションを実施して、近い方の壁の影響を考えて
対角線上のエリアにも、ある程度フォロー出来る振り角度を計算して、
設置されています)
高さについてはスクリーンの縦方向中央より、やや上(2/3~5/8)
に音軸の中心が来る様に設置されています。
下振り角度についても、前出のシミュレーションで後方壁の影響が少な
い事と出来るだけ客席前方にも音が届く具合を確認して決められます。

当たり前だと思われるかも知れませんが、結構計算されて作られてい
ます。(昔は、もっと適当だったと思います)

フィルムの音声信号。2010年02月10日

GoldwinTheaterで現在まで戻って来たが、この後、現在の映画館に於
ける音響システムや設計について、少しだけ触れていく事にしよう。

まずは、音源から・・・。 音源も現在ではデジタル上映が増えては来て
いるが、まだまだフィルムも現役で頑張っているので、フィルムから。

フィルムは映像が入っているが、音はどのように入っているのか?気に
ならないだろうか??

以前はアナログの磁気トラックが、スプロケット(フィルムの四角い穴)の
両サイドに4ch分あったが、現在では光学系で記録されているケースが
ほとんどである。
一番基本的になるのは、ドルビーSRステレオフォーマットで、全ての物
に記録されていて、デジタルフォーマットの読み込み精度が下がるとプ
ロセッサが自動的に判断して、ステレオに切替る仕組みになっている。
(すなわち非常用としても使われている)
デジタルフォーマットは3Dバーコードを読み取る要領でドルビープロセ
ッサが独立したチャンネルとして読み取っている。 すなわち7ch分の
信号がバーコードで表現されているのだから、すんごい技術である。
ドルビーSRステレオは2chの信号を読み取って6ch分に分け々され
ているので、少々音が悪い。(と言っても比べないと分からないレベル
である)
DTSだけ、同期信号のみフィルムに記録されていて、読み取ったタイ
ムコード(時間の番地のような物)に合わせて、CD-ROMに記録され
た音声が同期して出力される仕組みになっている。 (以前に書いた、
Vitaphoneシステムと同じである)

読み取り精度が下がってデジタルが落ちる(読めない事を、そう言う)ケ
ースは少なくないとも聞くので、フィルムによる上映の場合、映画館の
公開スケジュールが終わる頃に行くより、封切り直後の方が音も映像も
良いハズである。

ホームシアターのAVアンプで言うと、光(オプチカル)や同軸(コアキシ
ャル)といったデジタル出力は全て2ch信号なので、光学系のドルビー
SRステレオと同じである。(HDMIは、技術的には5.1chの独立したチャ
ンネルを出力させる事が可能だった気がするがハッキリ知らないので、
いい加減な事は言えない)
いくら頑張っても条件によっては映画館の方が、作品としての完成度の
高い物を鑑賞する事が出来るという訳である。

冒頭でも言ったが、最近映像音響もデジタルで上映する映画館が増え
て来たので、フィルムなんて?!と思っている方が多いかも知れないが、
現在でも80%はフィルムで上映されている。

Goldwyn Theater。2010年02月05日

 1997年に音響改修した、Goldwyn Theater!!
設備だけでなく椅子等も鮮やかな赤に張替えられている。

これもJBLの5674というモデルのスピーカが設置されている。
(やはり今回もフロントは5台設置されている)

 日本でスピーカと言えばBOSEが一流で、それ以外は知らない!と言
う方が多いが、アメリカでJBLはスピーカの一流ブランドである。

 このスピーカは従来、Goldwyn Theaterの為に開発された専用のモデ
ルだったハズ?!が、製品としてJBLからリリースされ、日本でも同じモ
デルのスピーカを設置したシネコンは多い。

 もちろん今でもGoldwyn Theaterで稼動しているシステムである。

なんかJBLの宣伝っぽくなって来ているが、決してそんな事ありません。