映画館のスピーカ1。2010年01月07日

システムの話から、いきなり私の得意分野であるスピーカの話へ・・・。

 チャップリンの話でも少し触れたが、映画館に入っているスピーカも
年々技術進歩する事で変わって来ている。

 今でこそシネコンやらの登場で、音響システムに多少お金を掛けてい
る映画館が増えて来たが、最近までセンタースピーカ1本だけの劇場も
少なくは無かった。
 そう! 昔の映画館は活弁士の声が一応劇場全体で聞こえていれば
良かったからである。
 なので、劇場の音響用スピーカはセンター1本から始まる。
上の写真がフルレンジのホーン(スピーカのラッパ)である。
低い音からある程度高音までカバーする為に、まさしく大きい。

 トーキー出現に伴い、音楽再生をする為にセンター1本から、左右の
スピーカがプラスされフロントが3chとなる。(今でも特殊なフォーマット
以外は、この3chは変わらない)

 そこからはドルビー研究所さまの恩恵に伴い、サラウンドやバックch
が追加され現在に至っている。

 ドルビー研究所さまが、どう関わっているのか?というと、簡単には
2トラックの音声チャンネルに、いかに多くの独立したチャンネルを作り
出す事が出来るのか?を研究されているのである。
 すなわち、記録されているのは2チャンネルなのに、ドルビーを通すと
6chの出力が取り出せるのである。 これがドルビープロロジックであり
ドルビーデジタルになると、独立したchが記録再生されている事になる
ので、似て非なる物である。
 ただ、この技術がドルビー研究所さんの特許であり、映画の音声に於
ける強い影響力を示し続けている理由である。(録音から関わらないと
成立しない技術である為)