ホームシアターの基礎知識。2009年12月17日

ホームシアターをしたいけど、どうすれば?!という質問を受ける事が
良くあります。
我が家のようなプロジェクターを使い大きなスピーカを設置し、大迫力
で楽しむのがホームシアターだと思っている方が沢山いらっしゃるよう
です。
私個人、液晶TVでも小さな5.1chシステムでも充分サラウンドを楽し
む事が出来ると考えています。

まず自分自身のライフスタイルの中で、ホームシアター(サラウンド)を
楽しむ環境が、どうなのか?!を考えて下さい。

よく言うのですが、大きなスピーカは良い音がするが、小さなスピーカ
は良い音がしない?!とか、高価なスピーカは良い音がするが、安価
なスピーカは良い音がしない?! 重いスピーカは良い音がするが、
軽いスピーカは良い音がしない?!等など、あえて否定はしませんが
間違った認識をされている方が多いと感じております。

大きくて高価で重いスピーカは大きな音を出力しても、歪の無いクリア
な音で再生出来るという事なら、だいたいに於いて概ねハズレではあ
りませんが、大きな音=良い音か?と言えば違いますよねぇ~?!
大きな音が出せる環境で無いのに、大きくて高価なスピーカを設置し
て、小さな音で楽しむのであれば、ハッキリ言って宝の持ち腐れです。

まずマンション等の集合住宅にお住まいだったり、大きなスピーカを設
置する場所が無いから、サラウンドなんて楽しめ無いと思っていません
か?

あまり大きな音が出せない環境なら、あえて小さいスピーカで正攻法
の設置を心掛け、キッチリと設定された機材で楽しむ方が、遥かに音
の良いサラウンド空間を手に入れられると考えています。

第一回目は、ここまで。
次回からは、どうすれば良いか?を具体的にお話します。

スピーカの選び方と配置。 12009年12月14日

大きな音で楽しむホームシアターは、我が家のホームシアター編を見
て頂く事にして、ここでは少し小さなスピーカで楽しむホームシアターに
ついて、述べさせて頂きたい。

なぜなら昨今、ホームシアターと言って映画を楽しむだけがサラウンド
の楽しみ方じゃないからである。
TVでのスポーツ中継はかなり以前から5.1chになっているし、ゲーム
をサラウンドで楽しむと、とても面白いと思うからである。
ホームシアターと言えば、リビングのTVが中心だと思うが、ゲーム機の
ディスプレイにサラウンドと言えば、もっと小型になるのでは?!

スピーカレイアウトは我が家の・・・で記述したように、ITU規格に則った
ITU-R BS.775-1という規格に準拠するのが一般的である。
この規格はダイレクトサラウンドと呼ばれていて、もう一つとても曖昧な
ディフューズサラウンドという考え方がある。(この規格ではスピーカの
向きや仰角等、ほんと適当で良いのか?と思ってしまう)
実は映画館等は、このディフューズサラウンドである事は、あまり知られ
ていない。
ダイレクトサラウンドを真面目に楽しもうとすると、基本サブウーファーを
除くメインスピーカを含む全てのスピーカは同じ物を選ぶ事になるで、
本来ホームシアターのほとんどが、ディフューズサラウンドという事にな
る。  という訳で、レイアウトについては結構曖昧で良い訳であるが、
出来るだけ規格に準拠するという考えで設置されたい。

次にスピーカ選びだが、昔々オーディオに凝っていて大きなステレオの
スピーカを持っているという方がホームシアターをされる場合、既に持
っている、その大きなスピーカをメインの左右に使う事になるのだが、
5.1chシステムの場合、メイン左右のスピーカが活躍する機会があま
り無い。 サラウンドスピーカよりは少し出番があるものの、ほとんどの
音はセンタースピーカが受持っている。 (これも知っている人は少ない
が、センタースピーカが壊れて音が出なくなったら、再認識するハズで
ある) なので、出来れば大きなスピーカはオーディオを楽しむ時用と
し、AV用のスピーカは別にした方が望ましい。 がしかし勿体無いので
使う場合は新設するセンタースピーカやサラウンドスピーカと同程度の
能力しか使わないと割り切ってしまおう!

初めてスピーカを設置するという方は、デザインや色,自分の楽しみ方
をじっくり考えて、サイズと価格を吟味して決められたい。
私個人の考えでは、小さなスピーカで組む5.1chの場合は、メインス
ピーカよりサブウーファーに少し多めの予算を裂いた方が、結果が良い
場合が多い。(既に購入している方は、小型のサブウーファーを複数に
するという裏技を検討されたい)
何故なら、メインスピーカが小さくなると、当然低音は出なくなる。 その
出なくなった低音をサブウーファーが補ってくれる。 という事はサブウ
ーファーの仕事量が増えるという訳である。 しかしながら、絶対的な音
量はメインスピーカが小さくなった分、当然仕事量が減るので、あまり
過剰な物を設置しても無駄になるので注意が必要だ。

なんか自分で書いていて、ややこしくなってきた気がするので、質問あ
る方は、コメントして下さい。(基本個人情報が含まれているコメントは
非公開で答えます)

スピーカの選び方と配置。 22009年12月10日

上の図は、TVサイズに於ける最適な視聴位置を示した図である。

諸説いろいろあるが、あくまで私の考えである。

まずITU規格に基づくL/Rの開き角度は60度であるが、音声だけの
マスタリング(録音)する場所なら、その通りだと思うが、あくまでも映像
がある訳で、ベストな視聴範囲を考慮する必要がある。
THXが推奨している視聴範囲は、画面両端の開き角度が30度~36
度の範囲に収まっているのがベストとの事。
その位置から60度の開き角度を取ってしまうと、左右のスピーカが画
面から著しく離れてしまう。
あくまで映像と一緒に楽しむ音が、映像と離れてしまうと定位の観点か
らも問題であるので、私の場合45度の開き角度をベストとしている。
サラウンドについても110度を基準としているが、5.1chで楽しむ場
合は後方定位が自然である事も考慮して、135度としている。
(ちなみに7.1chにする場合はサイドは110度。バックは150度を適
当と考えている)
この角度変更は、ディフューズサラウンドであると言い聞かせて、ある
程度許されている範囲に基づく変更だと考えている。
但し、意匠や家具の配置。デザインに合わせて変更している物では無
く、音の事も考え、意図を持ってその位置に取付けたと考えて欲しい。
結局、こんな位置に付けるとブサイクだから隅っこへ・・・とか言っておき
ながら、音が悪いだの言う資格は無いと思うからである。

サブウーファーについては、低音の定位は気にする程では無いという
考え方に基づき、後方に設置する等極端な位置で無い限り、どこに置
いても構わないと考える。

TVの大きさが変わる事によって、上図のように視聴位置が変化する。

42インチと52インチで、約50cm視聴位置が後方へズレる。

壁際にソファーがあって、そこを視聴位置にしたい場合は、出来るだけ
大きな画面が必要という事になる。

AVアンプ選び。2009年12月07日

スピーカを選んで、正しい位置に取り付けた。
続いてはAVアンプを選ぶ時のHow toを・・・。

まずは、古い物と新しい物の違いから。

① 入出力端子が違う。
② 対応するサラウンドフォーマットが違う。

もちろん機能的な部分も違うが、大きな違いは上記の2点。

まず①の端子は、最近HDMIという端子がTVやDVDプレーヤ等に採用
され、この端子が付いているか否か。(また何系統付いているか?)
昔はVHSビデオが2台あってダビング出来るとか、ベータなんてビデオ
を持っていたとか、カメラはHi8だったとか、TVに入力する機材が多々
あったが、最近ではどうだろう?!
DVDレコーダとTVゲームが接続出来れば充分では無いか?と思う。
納得された方は、HDMI入力が2系統備わっていれば、大丈夫。 後で
説明するが、それも必要無いかも知れない。
②のサラウンドフォーマットだが、Dolby TrueHD,やDTS-HD等ロスレス
圧縮フォーマットに対応!とか言っても、実際の所ピンと来ないので、
気にする程でも無い。(これは言い過ぎか?メーカーの人ゴメンナサイ)

という事は割りと何でも良かったりする。

接続方法だが、全てのビデオ機器やゲーム機を、AVアンプ経由にして
しまうとアンプの電源を入れないと音が出ないし、必ず5.1スピーカで
音を聴く事になる。(本来はそうして欲しい)
がしかし、TV番組はAVアンプを入れなくてもTVのスピーカから音が出
るし、それはそれで手軽で便利である。
ゲームやDVDも、そうして手軽に楽しみたい時がある。 (いちいちAV
アンプの電源を入れて観るのが邪魔臭いのでDVDは観ないという人が
いるのも事実である)
そんな時にどうすれば良いか?!というと、HDMI信号は確かに映像に
とっては恩恵が深いが、音声にとってはそれ程では無い。
元々、光やコアキシャルという物で別系統にデジタル音声出力が出て
いるからである。
最近のTVはHDMIで入力された信号の音声出力が、その光やコアキシ
ャルで出ている物がある。

そう!! 一旦、DVDやゲーム機の出力をHDMIでTVに入力して、TVの
デジタル音声出力をAVアンプに入力してやれば、全て解決するのであ
る。(DVDやゲームの切替えはTVで行い、5.1で楽しみたい時はTVの
スピーカを絞ってAVアンプの電源を入れれば良いのである)

このように接続すれば、HDMI入力端子が付いていないような結構古い
AVアンプも充分現役で活躍出来るハズである。

そんな訳で、接続の仕方に工夫すれば、便利で使い易い物になる。

上の図が参考配線図になる。
通常、取扱い説明書には赤い線のような配線をするよう指示されてい
ると思うが、見た通りDVDとゲーム機を切り替えるのに必ずAVアンプを
使用しなくてはならない。
しかし青い配線はDVDとゲーム機がTVに直接入力されているので、切
り替えはTV側で行う形になっている。 そうする事でAVアンプでの入力
切替え等は不要になり、AVアンプでサラウンドのモード等を切り替える
必要がなければ、ボリューム以外ほぼ触る事が無くなるのである。

補足だが、ゲーム機がPS3なら尚良し、ブルーレイのDVDレコーダで無
くても、PS3でブルーレイディスクが楽しめる。

AVアンプの設定。2009年12月02日

何から説明したら良いのか?悩んでしまうが、AVアンプの設定はその
ままでも音も出るし、それなりに楽しめる。
ただ今までややこしい設置に於ける注意や、スピーカを慎重に選んで
来たのに、このまま適当な設定で楽しむのは勿体無い!?
きちんと設定してやれば、もっと楽しめるのに、そこをいい加減にしてい
る人がとても多いと思っている。
最新の機種でなくても、少し前のモデルには自動設定という便利な機
能が備わっている。(前は割と高価なモデルにしか装備されてなかった
が、最近の機種には安価なモデルにも搭載されている)

良く「設定は専用マイクが付いていて、勝手にベストな状態に合わせて
くれるんですヨ!!」と親切に教えてくれる人がいるが、取扱い説明書
の応用編とかに書いてある、手動で合わせる合わせ方って知ってます
か?と聞くと、たいがいの人は全く理解していない。
「何回か同じ要領で設定を、やり直した事あります?」と聞くと、これも最
初の一度キリで何回もする物では無いと思ってられるようである。
そんな方に「もう一度同じように設定して、何も変わらないなら良いです
が、違ったらなんで?って思わないですか?」と聞くとキョトンとした顔で
見られる。(何を言いたいんだろうか?って顔で・・・)

つまり、その機能で設定した物は、信用出来るのか?と言いたい訳で
ある。 自動で完璧に設定出来る物なら、手動で設定する説明は応用
編からも削除されるべきだし、ややこしくしているだけじゃないの?と思
うのである。

私の場合、AVアンプを購入した電機屋さんに聞いたり、メーカーのお客
様相談センターに問い合わせたりしながら、設定しようと試みたが明確
な回答が得られなかったし結局自分で調整した。

私が一軒々回って設定してあげられれば良いのだが・・・。

もしこの件で詳しく知りたい方がいれば、個別対応しますので、コメント
して下さい。(非公開にしますので、メールアドレスを入れて下さい)