フィルムの音声信号。2010年02月10日

GoldwinTheaterで現在まで戻って来たが、この後、現在の映画館に於
ける音響システムや設計について、少しだけ触れていく事にしよう。

まずは、音源から・・・。 音源も現在ではデジタル上映が増えては来て
いるが、まだまだフィルムも現役で頑張っているので、フィルムから。

フィルムは映像が入っているが、音はどのように入っているのか?気に
ならないだろうか??

以前はアナログの磁気トラックが、スプロケット(フィルムの四角い穴)の
両サイドに4ch分あったが、現在では光学系で記録されているケースが
ほとんどである。
一番基本的になるのは、ドルビーSRステレオフォーマットで、全ての物
に記録されていて、デジタルフォーマットの読み込み精度が下がるとプ
ロセッサが自動的に判断して、ステレオに切替る仕組みになっている。
(すなわち非常用としても使われている)
デジタルフォーマットは3Dバーコードを読み取る要領でドルビープロセ
ッサが独立したチャンネルとして読み取っている。 すなわち7ch分の
信号がバーコードで表現されているのだから、すんごい技術である。
ドルビーSRステレオは2chの信号を読み取って6ch分に分け々され
ているので、少々音が悪い。(と言っても比べないと分からないレベル
である)
DTSだけ、同期信号のみフィルムに記録されていて、読み取ったタイ
ムコード(時間の番地のような物)に合わせて、CD-ROMに記録され
た音声が同期して出力される仕組みになっている。 (以前に書いた、
Vitaphoneシステムと同じである)

読み取り精度が下がってデジタルが落ちる(読めない事を、そう言う)ケ
ースは少なくないとも聞くので、フィルムによる上映の場合、映画館の
公開スケジュールが終わる頃に行くより、封切り直後の方が音も映像も
良いハズである。

ホームシアターのAVアンプで言うと、光(オプチカル)や同軸(コアキシ
ャル)といったデジタル出力は全て2ch信号なので、光学系のドルビー
SRステレオと同じである。(HDMIは、技術的には5.1chの独立したチャ
ンネルを出力させる事が可能だった気がするがハッキリ知らないので、
いい加減な事は言えない)
いくら頑張っても条件によっては映画館の方が、作品としての完成度の
高い物を鑑賞する事が出来るという訳である。

冒頭でも言ったが、最近映像音響もデジタルで上映する映画館が増え
て来たので、フィルムなんて?!と思っている方が多いかも知れないが、
現在でも80%はフィルムで上映されている。

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